ボンジョルノ! 週末にはワインに欠かせない美味しいおつまみ料理を探し歩く、ローマ支店の
ホセとモリよりイタリア各地の郷土料理情報をお届けします。

イタリアは南北に長く、「一年中温和な海洋気候」「冬は寒さが厳しく夏も涼しい山岳気候」「それ以外の丘陵・平野気候」という3つの全く異なる気候がモザイクのように入り組んでいます。このような変化に富んだ気候風土が、多彩な食材と独特の調理法を生み出し、その土地でしか食べられていない”郷土料理”を数えきれないほど誕生させました。

今日はアブルッツォ料理の一皿を紹介しましょう。
焼き鳥の羊版、アブルッツォのアッロスティチーニ(Arrosticini)です。イタリア半島の中部、アドリア海に面したアブルッツォ州は、ラツィオ州に隣接し、ローマから車で3時間ほどでアブルッツォの海辺の街へ行くことができます。
昔から沿岸部では漁業を、内陸部では農業を営み、季節に応じて羊を移動させる牧畜業を行ってきました。
自然との共生を基本とするアブルッツォの食はシンプルで味わい深く、心に染み渡るおいしさに満ちています。
年老いた羊はそのまま食べるには堅いので、ひき肉にするなどの工夫が必要。
そこで考え出されたのが、肉を串に刺した状態でさいころの形に切り分けることができる四角い専用の容器が登場しました。
この串刺しの羊肉を炭火で焼いたものが、アッロティチーニというアブルッツォ地方の伝統の祝祭料理です。
もちろん、普段の生活でも大人気、これから寒くなる季節には欠かせない一品です。ローマ市内のアブルッツォ料理店で食べれます。

 

イタリアの地方料理には質素な食材を使うものが多く、アブルッツォは羊以外にじゃがいもが名物で他にはサフラン、オリーブオイルが世界的に有名です。そしてパスタを沢山食べる、といった南イタリアの食文化に似た特徴もあります。
日本でも有名なディ・チェコはアブルツォが誇る世界的パスタメーカーの本拠地でもあります。
食欲の秋ですね、皆さんも旬の食材を使った美味しい料理に「Bon Appetit」ボナペティート!(日本語で召し上がれの意味です)また、次回にお会いしましょう。