Bonjour みなさん

こんにちは。ジャルパックパリ支店です。

フランスは一年を通じて魅力的な季節を迎えました。

パリには大小さまざまな公園、庭園が421以上もあり、市民の憩いの場となっています。

市内の公園にも見どころはいっぱいですが、今日はちょっと足を延ばしてパリ市郊外へ。

メトロ10番線の終点 Boulogne Pont de Saint-Cloud で下りると入口は目の前です。

19世紀から20世紀にかけて活躍した実業家アルベール・カーン氏のコレクションを収蔵した博物館と庭園があります。

ダイヤモンドと金の投機で莫大な財を成し、のちには自分の銀行も設立したアルベール・カーン氏はその財を奨学金と世界中に写真家を派遣することに費やし、20世紀初頭の貴重な映像を収集しました。

5年に渡る工事が終了して、4月から一般公開が再開しました。

建物は日本の建築家隈研吾氏の設計です。

階段のような段差のあるエントランス。

右の段はグループの集合場所になるのでしょうか。(現在は座ってはいけないエリアになっています。)

ガラスのドアを開けて館内に入ると、エントランスから続く段差を利用してアルベール・カーン氏が収集した世界中の人々の画像を間近に見ることができます。

常設展は100年以上前に世界中から収集されたカラーの画像、動画が展示されています。

もちろん日本の貴重な写真も多数展示されています。

明治時代に自身も訪日したアルベール・カーン氏は大隈重信氏や皇族とも親交を深めフィルムに収めています。

美術館の貴重なコレクションを堪能した後は、カーン氏の愛した素晴らしい庭園もお楽しみください。
博物館内部から見た庭園です。

はっきりとした仕切りになる植栽がなく、博物館から庭へ降りるアプローチは日本の縁側を意識して作られたそうです。

自然そのままの姿をコンパクトな庭園スタイルに取り入れたイギリス風庭園

樹木を刈り込んだり、枝を誘導して幾何学模様に作り替えるフランス式庭園。

バラ園と果樹園が共存しています。

果樹園は食用よりも観賞用を主眼においており、バラに付く害虫を防ぐ意味もあるそうです。

果樹園も鑑賞ファーストなのですね。

アルベール・カーン氏の故郷ヴォージュ地方から石を移築して作られたヴォージュの森。

驚くべき数の巨石を重機のなかった時代にここまで運び込むのは大事業だったでしょう。

こちらは、日本から建物を解体して移築した家屋と茶室。

この日本家屋と茶室のためにカーンは日本から大工や庭仕事の職人もパリへ呼び寄せました。

2008年の日仏交流150周年記念には藪内流のお茶会が開かれ、2015年からはリノベーション工事が行われました。

茶室の奥にある日本式の庭園は1989年に現代造園家の高野文彰氏が造成したもの。

カーンの生涯へのオマージュを水の流れに見立てた川と池には日光の神橋をコピーした橋がかかり、富士山を模したつつじの見事な築山もあります。

彼の作った庭は『異なる文化を理解し合うことが世界平和への第一歩である 』という彼の理想をそのまま形にしたもの。

その理想郷で世界から訪れる著名人、文化人を歓待しました。

アルベール・カーン氏は世界恐慌ですべての財産を失いましたが、この庭も邸宅もすべてのコレクションも幸いなことにオー=ド=セーヌ県が買い取ったため離散することはありませんでした。

自身も1940年に亡くなるまで買い取られた邸宅に住み続けることを許され、晩年を過ごしたということです。

パリ滞在の中のひとときをアルベール・カーンの理想の世界に遊び、彼の生涯に思いを馳せてみてはいかがでしょう。

 

Le Musée Départemental Albert-Kahn
2 Rue du Port, 92100 Boulogne-Billancourt
TEL 01 5519 2800
営業時間 火曜日~日曜日 11-19時(10月から3月は11-18時)
最終入場は閉館30分前まで
休館日 月曜日、5月1日、12月25日、1月1日から14日
最新の情報はサイトにてご確認ください。
http://albert-kahn.hauts-de-seine.fr/

 

皆様のご来訪、心よりお待ちしています。

Merci beaucoup.