パリ クリスマスの習慣 クレッシュ La crèche de Noël
| カテゴリー:フランス
Bonjour みなさんこんにちは。ジャルパックパリ支店です。
フランスでは自宅や教会、広場などにクリスマス前からキリスト生誕場面の模型
『クレッシュla crèche de Noël』を飾ります。
カトリック教会の伝統行事ですが、日本のひな人形に近い感覚で家族そろって楽しめる年末の
年中行事のひとつです。
デザインは各家庭に代々受け継いだクラシックなものからモダンなもの、大きさも実物大から
家の飾り棚に置けるような小さなもの、材質も素朴な素焼きに着色したものから大理石、
木製の豪華なものなど様々なバリエーションがあります。
シンプルなフォームが親しみやすい木製のもの | こちらはちょっと珍しいご当地もの モンサンミッシェルのクレッシュです |
共通するのはキリストを中心としたシーンに登場する人形たち。
キリスト生誕の厩舎のシーンを表わしているので中央に幼子キリストの眠る飼い葉桶、
ここに25日の0時になったら幼子の人形を置きます。
その周りには膝づく聖母マリア、その夫ヨハネ、天使、最初に誕生を知った羊飼い、
厩舎の動物たちである牛、ロバ、羊、などが飾られます。
キリスト生誕を知らせるベツレヘムの星に導かれた東方の三賢人とその乗り物の動物
(馬、ラクダ、象)は遅れて到着するのでなるべく離れたところに置かれ、年が明けた
1月初めのエピファニー(公現祭)の日になってからキリストのそばに飾られます。
以上が基本の登場人物で、これ以外に地方色あふれるその村の住民や動物などがいます。
教会内に飾られたクレッシュ 小さい子供も近くから見られるように踏み台が 設置してあります |
教会の静けさもあいまって厳かな空気が漂います |
クレッシュの歴史は古く13世紀にイタリア・アッシジの聖フランチェスコがミサに人間と動物で
降誕場面を演じさせたのが初めてといわれています。
その後模型や人形、機械仕掛けのものも登場し、キリスト教の普及のために教区の教会に配布
されたり、ブルジョア階級にも広がりました。
フランス革命で一時非キリスト教化運動が起こり、教会が閉鎖されたりクレッシュが禁止になる
時代もありましたが、19世紀になってからまたクレッシュが飾られるようになり、19世紀後半には
安価で大量生産の人形も製造販売されるようになって一般家庭にもひろまりました。
様々な種類のあるクレッシュの人形のなかでもポピュラーなのが南仏発祥のサントン人形です。
プロヴァンス地方の工芸品で、小さな粘土の人形をを素焼きして着色したもの。
素焼きなので壊れやすいのが難点ですが、ぽったりとしたフォームと手書きならではの表情、
南仏のカラフルな色合いがなんともチャーミングです。
サントン人形は非キリスト教化運動でクレッシュが飾られなくなった18世紀末にマルセイユの
職人によって作られ、それまでなかったプロヴァンスの伝統衣装をまとった市井の人々を
作ったことで爆発的な人気を呼びました。
また値段も手ごろで一般家庭にもクレッシュが普及される一因にもなりました。
数百種類のキャラクターがあるといわれていますが、代表的なのは羊飼い、猟師、パン屋、
お菓子売り、粉ひき屋、鍛冶屋、洗濯女、農夫、村の住民である市長さん、司祭さん、
郵便配達人、踊る男女、遊ぶ子供、プロヴァンスの小説に登場する詩人、アルルの女、
郷土楽器を演奏する旅芸人、などなど。
その人形を配置するためのプロヴァンスの村の家並みや噴水、井戸、オリーブの木などもあり、
膨大なコレクションでミニチュアの村を作っている収集家もいるほどです。
集め始めるとキリスト生誕の場面よりも村の方が大きくなってしまい、最初の目的が分からなく
なってしまいますね。
そんな魅力的なサントン人形は現在では地元の工芸品として人気が高く、毎年11月からマルセイユ
などプロヴァンス地方の街で専門の市が開催されます。
この時期にプロヴァンスに行かれる方は是非お立ち寄りください。
もちろんクリスマス以外の時期にもお土産として購入することも可能です。
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皆様のご来訪、心よりお待ちしています。
Merci beaucoup.
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