Bonjour みなさんこんにちは。ジャルパックパリ支店です。

パリ地域のメトロ、バス、RER(高速地下鉄)、トラム、モンマルトルのケーブルカーは
パリ交通公団(Régie Autonome des Transports Parisiens、略称RATP)が運営しています。
路線バスは座って風景を楽しみながら目的地へ行けるという利点はありますが、メトロと
比べ時間が掛かること、場所によって渋滞にはまってしまったり、デモや工事などによって
ルートが急に変更されることがあるため時間に余裕をもって利用されることをお勧めします。

フランス語がわからなくても地図アプリを使い、自分の現在位置から行き先を指定し検索すれば
最適なルートを調べることができます。現在位置から一番近いバス停の場所や次のバスが
何分後に通過するか、どこで降りたらよいか、おおよその所要時間も検索することができるので、
是非バスの旅に挑戦してみてください。

そんなバスの旅にぴったりの特に見どころの多いルートをご紹介しましょう。
今回はパリの南の端 Porte de Vanves ポルト・ド・ヴァンヴから
95番のバスに乗ってパリを南北に横断します。

ここはパリの3大蚤の市(クリニャンクールとモントルイユとヴァンヴ)のひとつ、
ヴァンヴの市が土日の午前中に立つ場所です。
週末の朝、蚤の市を見た後にバスでパリの中心部に戻るにも便利な路線です。
ヴァンヴを出発したバスはしばらく住宅街を通りモンパルナスへ向かいます。

公園やスーパー、街角のカフェといった生活感あふれるエリアを通って、細い道からいきなり
大通りに出たりしながらバスは国鉄のターミナル駅モンパルナスの横を通過します。
元々は丘だったこの場所はパリの南のはずれ、荒れ地や風車が立つ田舎でしたが、18世紀に
モンパルナス大通りの建設工事のために削られ平地になり、今はセーヌ河からの
緩やかな上り坂がその名残を残すだけです。

19世紀末から20世紀初頭には物価や家賃の安いモンマルトルに芸術家が集まっていましたが、
次第に観光地化が進み家賃も高騰したこともあり、南のパリのはずれであったモンパルナスへと
若い芸術家たちが移って来ました。世界中からチャンスを求めて若く貧しい画家、詩人、作家、
音楽家たちが欧州はもちろん、東欧、アメリカ、南アメリカ、そして日本からもモンパルナスに
集まり、芸術家のコミューンを作ります。
日本人では藤田嗣治は1913年に渡仏し、モンパルナスに居を構えました。
そのアパートの隣部屋にはスーチンやモジリアニが住んでおり、1週間でそこに出入りするピカソ、マティスらと親しくなったという逸話が残っています。

モンパルナス駅はパリのフランス国鉄のターミナル駅のひとつで、旅行者が一度は訪れたい
シャルトル、ロワール地方、ボルドー、ブルターニュ地方への長距離列車と近郊への郊外線が
発着しています。かつてブルターニュ出身者がパリに働きに出てくると最初にモンパルナス駅に
降り立つため、名物のガレット(そば粉のクレープ)の店がこの駅周辺には多く、
特に Rue Montparnasse にはガレット専門店が集中しています。ブルターニュまで行かなくても
パリで本場のガレットを食べたいときには、是非足を延ばしてみてください。

モンパルナス駅を過ぎるとバスは真っすぐなレンヌ通りを通り、
サン-ジェルマン-デ-プレへ到着します。

サン-ジェルマン-デ-プレのランドマーク、サン-ジェルマン-デ-プレ教会はパリ最古の教会で
6世紀の建造です。何度も改修と破壊と再建をくりかえしてきました。
近年では2016年から4年かけて大規模な内部装飾の改修工事が終わり、
鮮やかなブルーと豪華な金の装飾が輝きを取り戻ました。

この教会前にパリの代表的なカフェとして名高いレ・ドゥ・マゴと
カフェ・ドゥ・フロールが並んでいます。

  

二軒とも、地元の常連さんや観光客で朝7時半から深夜すぎまで賑わっています。
文学カフェとしても名高く、ヘミングウェイ、サルトルやボーボワールが毎日通って執筆したり、書斎のように利用していた場所としても有名です。
ここでゆっくりカフェを飲みながらパリの風景の一部になった気分を味わってみたいですね。

サン-ジェルマン-デ-プレ教会を過ぎると、急に細く一車線の一方通行になり、
パリ国立高等美術学校の前を通り過ぎてセーヌ河岸へ出ます。ここからは河岸に立ち並ぶ
ブキニストを見ながらセーヌに沿って300メートルほど走ります。ユネスコの世界文化遺産に
登録されている小さな深緑色の箱の形をした古本屋さんがこの辺りにも並んでいます。

古本だけでなく、リトグラフや雑誌、古い映画のポスター、お土産の絵葉書、
マグネットなどもあり買わなくてもぶらぶらひやかしながら見るだけでも楽しいです。

バスはカルーゼル橋を渡り、ルーブル宮の右翼をくぐっていよいよ中庭へ。

 

中庭の真ん中にあるガラスのピラミッドがルーブル美術館への入り口になっています。
入り口で荷物検査があるので、いつも観光客の列が長く続いています。
ここもすっかりコロナ禍以前のにぎわいを取り戻しており、ルーブル美術館の入り口である
ガラスのピラミッドの周りはいつも観光客でいっぱいです。

ピラミッドの反対側にはピンク色のカルーゼル凱旋門、
その向こうはチュイルリー公園が広がっています。

お天気が良ければエッフェル塔、チュイルリー公園の先にコンコルド広場のオベリスク、
更に続くシャンゼリゼ通りの向こうに凱旋門も見えますが、バスではあっという間に通過します。
ここは是非一度下車してゆっくり写真を撮りたい場所です。
入場の列に並ぶ人、ピラミッドをバックに写真を撮る人でいつも混みあっていますが、
物売りやスリも多いのでくれぐれも狙われないようにお気をつけください。

ルーブル美術館を通過したバスは自転車専用レーンが設置され車の少なくなった
リボリ通りを横切ってオペラ通りへ。ルーブルからオペラ座まで続くオペラ通り周辺は
パリに来られたら一度は足を運ばれるエリアです。ホテルやレストラン、
人気のショップが立ち並び、パリでも近年大人気の日本食レストランや日本食料品の店も多く、
観光客だけでなくパリ在住の日本人も訪れます。

弊社JALPAKもオペラ通りの地下鉄7号線のピラミッド駅からすぐの場所に位置しています。

オペラ座の前は交通量も多く、いつも賑わっています。正面玄関の階段はいつも人でいっぱい。
豪華な彫像で装飾された正面玄関、屋根の上には金色の彫像が、左がハーモニー、右が詩情と
タイトルがついています。今日も太陽の光を浴びて黄金に輝いています。にぎやかな
オペラ座前を通り、デパートや商店が立ち並ぶ商業エリアを通過してサンラザール駅へ向かいます。

サンラザール駅はモンパルナス駅と同じくパリのターミナル駅のひとつで、郊外線と
ノルマンディー方面への列車が発着しています。モネの家があるジベルニーの
最寄り駅ヴェルノンや高級リゾート地のドーヴィル、ルーアンへの列車がここから出発します。
モネといえば、サンラザール駅を何度も描いています。
ジベルニーに居を構える前はパリ郊外に住んでいたモネはサンラザール駅を普段から使っており、
1870年代には一時的に駅の近くに部屋を借りガラス屋根の下のプラットホームに停まる蒸気列車を
何枚も描いています。モネは一度テーマを見つけると繰り返し何枚も描く連作を制作しました。
サンラザール駅を始めとして、積藁、ポプラ並木、セーヌ河、そして有名な睡蓮と同じモチーフを
様々な時間帯と天候で、それぞれの色と光を捉えています。

バスが駅の横を通って裏側からモンマルトルへ坂を上っていく途中で、モネが描いた鉄とガラスの三角屋根のホームを望むことができます。
ここから見る駅の風景はモネの時代から列車が変わったのを除けばあまり変わっていません。

サンラザール駅の裏を抜けて、バスはクリシー広場を通過します。
フランソワ・トリュフォーの映画『大人はわかってくれない』にも登場した
この広場は映画館やレストランが立ち並ぶ歓楽街です。

中央に立つ記念碑は1814年にナポレオンのロシア遠征からの敗走を守り、
追撃してきた敵軍がパリに入るのを食い止めたモンセー元帥を称え建てられました。
せっかく敵軍のパリ入城を阻止したモンセー元帥ですが、最終的には武装解除され、
パリは陥落しナポレオンの退位という幕切れを迎えます。

ここからは東へ向かうとムーラン・ルージュのある歓楽街ピガールへ、
西は反対に落ち着いた住宅街、上品な公園を経て凱旋門へ、
さらに北に上ればモンマルトル墓地へと続きます。
墓地については、パリの三大墓地であるペール・ラシェーズモンパルナスをご紹介しましたが、モンマルトルにゆかりのある人々が眠るモンマルトル墓地も後日ご紹介しますね。

その先バスはまだポルト・ド・モンマルトルまで北上しますが、
これより北は特に目立った観光スポットはなく、
終点のポルト・ド・モンマルトルの周辺は治安があまり好ましくないエリアになります。

私たちのバスの旅はここまでとして、クリシー広場で下車しましょう。
モンマルトルの丘の観光にはクリシー広場からメトロに乗り換えて2号線で
サクレクール寺院に近いAnvers駅まで3駅です。

 

Anvers駅周辺は観光客目当てのお土産屋さんが並ぶサクレクール寺院のお膝もとです。
ここから有名な石段を登ったり、自動運転のケーブルカー(メトロ・バスのチケットと共通)で
サクレクール寺院まで登ることができます。

南から北へのバスの旅、お疲れさまでした。
最後までご一緒していただきありがとうございました。
また次のバス路線旅にお付き合いください。

皆様のご来訪、心よりお待ちしています。

Merci beaucoup.

 

 

〇ジャルパックはダイナミックパッケ-ジ商品の発売を再開しています〇

ジャルパックでは、日本発フランス行きのダイナミックパッケ-ジ商品を7月1日出発より販売再開をしています。

こちらの商品は、お客様のお好みで、フライトとホテルを組み合わせてツア-を作り上げていただく商品です。

■ジャルパック 海外ダイナミックパッケ-ジの詳細はこちら↓

https://www.jal.co.jp/intltour/jaldp/index.html

■ジャルパックパリ支店での「日本ご帰国のためのPCRサポ-ト」はこちら↓

パリ  ご帰国のためのPCR検査サポ-トプラン